定例研究会 歴史・政治・経済部会
第45回
日時 | 2007年10月22日(月) 19:00-21:00 |
場所 | 明治大学駿河台キャンパス リバティタワー(8階)1089教室 |
報告者 | 福田 円 氏(慶応義塾大学政策・メディア研究科後期博士課程) |
テーマ | 「中国の台湾政策(1962年)―福建省軍事動員の要因と「危機」の回避―」 |
要旨 | 本報告は、1962年に台湾海峡に軍事的緊張を生起させた中国による福建省における軍事動員の内容とその意図、米国・国府との軍事衝突回避とそれへの評価を明らかにしようと試みるものである。近年、国府は一方で58年の第二次台湾海峡危機以降も「大陸反攻」を追求し続け、61年、62年には中国の国内危機に乗じ、「大陸反攻」作戦を展開しようと試みたことが詳細に検証されつつある。他方、第二次台湾海峡危機以降、米中接近以前における中国の台湾政策が検証されることは少なく、62年6月の福建省軍事動員についても、軍事動員の事実と米国・国府との軍事衝突回避に注目が集まるのみであった。 本報告はまず、動員の規模と過程、および動員と共になされた中国の宣伝活動に注目し、中国による軍事動員の内容を再検証する。それらを基に、(1)国内情勢、 (2)国共内戦、(3)国際情勢の三つの視点から、軍事動員の要因を検討する。さらに、米国・国府との軍事衝突回避に対する中国指導者の評価を検証し、第二次台湾海峡危機における中国の台湾政策との連続性と非連続性を考察したい。 |