定例研究会 歴史・政治・経済部会


 

第42回

 

日時 2006年9月27日(水) 18:30-20:30
場所 明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン309J教室(9階)
報告者1 佐藤 幸人 氏(アジア経済研究所)
テーマ 「台湾ハイテク産業の生成と発展」
要旨  どこかに絞るのではなく、研究全体の骨格を話したいと思います。それは以下の通りです。

 研究の最大の特徴は技術者としてスタートし、後に企業家に転じる人々を軸に半導体産業とパソコン産業の生成と発展を論じていることです。議論の出発点は1970年前後に行われた技術者たちと既存の民間資本が手を組んで設立した企業群です。このような試みは大部分、失敗しましたが、それを克服しようとする中でハイテク産業の生成と発展のメカニズムが形成されていったと考えています。半導体を目指す技術者たちは国家プロジェクトに参与し、産業を立ち上げました。これを「国家と技術者のパートナーシップ」と呼んでいます。一方、限られた資源と能力から事業を始め、漸進的に資源を蓄積し、能力を高めていった技術者たちもいました。パソコン産業を生成し、発展させたのはこのような漸進的なメカニズムだったことを明らかにします。