最終更新:2011年2月1日
星会員の南部便り2004.12-2005.12 |
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このたび台湾南部便りを書かせていただくことになりました、星と申します。台湾のコミュニティ運動を研究するため今年の9月に来台し、約3ヶ月の台北滞在の後、11月23日にここ高雄県美濃鎮まで南下しました。美濃は南部の客家集住地域である六堆に属し、橋を渡るとすぐ屏東県に着きます。わたしは拠点を当地のコミュニティ団体である美濃愛郷協進会におき、ひとまず年末まで滞在する予定です。今まで台湾便りを盛り上げてこられた諸先生方には及ぶべくもありませんが、思ったところを少し書いてみようと思います。 |
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ご無沙汰しておりました。年末を日本で過ごした後、1月31日に再び美濃にやってきました。今年2005年は初めて旧暦の新年を台湾で過ごしたことになります。天気はすでに非常に暑く、半袖のTシャツで過ごせます。蚊よけ及び日焼け防止のために、長袖は依然手放せないのですが。 |
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3 月に台北で髪を切りました。台湾で髪を切るのは2002年に美濃で切って以来2回目です。前回はバリカン使用、洗髪・デザイン不要の家庭式丸刈りで100 元でしたが、今回は洗髪+散髪で800元、日本で切ると同じくらいの値段でした。そのとき、わたしは慣れない場所で髪を切るのが恐かったので、事前にヘアカタログのついた一冊の雑誌を買いました。するとそこで紹介されている服飾品はどれも日本とほぼ値段が変わりません。しかし台北には、五分埔までは安くなくとも、手ごろな服を売る店が多くの若者でにぎわっています。 |
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日本では気持ちいい季節のころでしょうか。美濃では稲刈りの季節がやってきました。稲穂が大きいのにこれほど暑いというのは日本では考えられないので、とても新鮮な感覚です。気温は30度をゆうに越えていますが、稲穂がさわさわと揺れるのを聞くと何とも言えない清涼感が体をかけめぐります。農村にいてよかったと思うひとときです。 |
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旧暦5月5日の端午の節句がすぎました。今年は新暦の6月11日でした。端午節にはちまきがつきものです。そこで今回はちまきの話をしたいと思います。日本台湾学会ホームページにふさわしい内容かどうか分かりませんが、しばしお付き合い下さい。 |
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6 月からだいぶご無沙汰して申し訳ありません。8月5日から10まで台北に行ってきました。美濃は冷房・扇風機なしでも過ごせるのですが、台北では一日中扇風機が欠かせません。そして冷房は非常に寒いです。道が舗装されている上に緑が少ないためでしょうか。日本でも非常に暑いとのこと、皆様くれぐれもご自愛下さい。 |
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中秋節も過ぎ、美濃は朝晩とても爽やかです。中秋節は日曜だったこともあり、週末に三合院の中庭などで30人以上の大規模なバーベキューを楽しむ光景が多く見られました。わたしは中秋節の夜にバーベキューの煙で曇らない月を見るべく、自転車で用水路に沿って隣町の屏東県高樹郷まで行きました。蛍がちらちらと飛ぶ姿、おぼろげに浮かぶバナナ畑とアスファルトを塗った竹の支柱、および雲一つない広い空に浮かぶ中秋の名月は、去年の中秋節を過ごした台北では見られなかったものです。それを考えると、静かな幸せと寂しさが身にしみる、すてきな中秋節でした。調査も大詰めを迎え、色々焦っていますが泣いても笑ってもあと少し。それまでしばしお付き合い下さい。 |
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第8回 最後です。ご愛読ありがとうございました。(2005年12月16日) 美濃では12月に入ると、稲刈りの後に植えられたタバコがキャベツより大きな葉を地に広げ、あっという間にわたしの背丈を越えました。また、夜は三合院の裏庭から見るオリオン座が存在感を増してきました。裏庭から大根のにおいの充満する台所を通って前庭に出ると、青白い月の下で、すっぽんが養殖池の中に跳び込む音が響き渡ります。「月とすっぽん」などとばかげたことを考える前に、台北では考えられない闇の静寂にふと涙が出てしまいました。 |